過去ログ - むりやり小説ゲーム
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957:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/27(月) 00:09:42.22 ID:nYn1ITp6o
なんだアレは、と、俺が呆然と閉められた襖を眺めていると、日和見が改まって正座なんて事を始めたのだ。
どうしたのだ突然と、俺がそう聞けば……邪念を振り払うにはこれしかないのですよ、なんて言うのだ。
何の邪念だよと茶を啜っていると、彼女は突然謝り出すのだ。

「……ごめん! 朝までとか言っておきながら……お金、実は無くなっちゃってて。だからメールでこの場所が近い羽未ちゃんに頼んだんだけど」

「それで寺にって訳だったのか」

「それだけじゃなくって、ついでに邪念を打ち払えるかなって思ったんだけど……、やっぱり無理みたい」

「無理って、何の話だ……?」

「……おかしいんだ、私。お金も無いし、仕方ないのに……朝まで一緒に居ようなんて言っちゃって……」

「そ、それはまぁ……楽しいからとかじゃないのか?」

「うん、楽しいよ。凄く楽しい。……でも、響って最近常に長谷川姉妹と一緒に居るじゃん?
 特に長谷川儚って子と。……見てると、羨ましくて、羨ましすぎて、苦しいんだ……」

彼女はそう、苦々しく胸を抑えて言うのだ。気付けばまた二人きり、妙に広い空間のせいなのか、余計に意識してしまう。
俺もまた、意識してしまったせいなのか、真っ直ぐに彼女の顔が見れないでいる。

「だから、今日は凄く楽しかった。……でも、余計に辛かった。だって、明日からまたこんな風に一緒に居られないんじゃないかって思うと、
 前みたいに一緒に遊び歩いたり、ふざけあったり出来ないんだって。……独占出来ないんだって」

「独占って……」

「……そうだよ、響は知らないかもだけど、私って、欲深いんだ。……響を本当は独占してやりたいって気持ちでいっぱいなの。
 だけど、そんな事をしたら、三人で遊び歩いたりする楽しい時間も無くなっちゃう。だけど……我慢の限界」

すっと立ち上がる日和見萌。そして、俺の前に再び屈むようにして、俺の顔を真っ直ぐに見るのだ。
瞳が震えている。こちらを必死に見ようとして、でも恥ずかしくて逸らそうとして、それでも堪えて俺を見ようとする。

「もう、滅茶苦茶だよ。響が女の子になっちゃって、おまけに邪魔がいっぱい入って。響の寮だって、女の子ばっかり。
 卒業するときにって思ったけど……もう我慢しない。だから、ちゃんと言うね」

瞬きが止まらない。寧ろ、瞬きしていないと自分がどこかへ飛ばされそうな気分だった。

「……私は、アナタの事が好きです。独占したいくらい、常に二人だけで一緒にいたいって思うくらい。……返事、聞かせて」

俺は……>>958


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