3: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:28:38.61 ID:YAWJM86vo
「あ、アンタにしては、なかなか良い仕事とってきたじゃない」
私の言葉は、フィルターを通してから放出される。
4: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:29:47.24 ID:YAWJM86vo
────最初に出会ったのは一年前の丁度、今くらいの春先。
その日は日差しが強く、少し汗が滲むくらいの暑さだった。
5: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:30:31.82 ID:YAWJM86vo
何のレスポンスもなく無口な冷房機を睨み付け、
リモコンの[入]を何度か押す。
反応が無いのでボタンを連打するけど、
6: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:31:17.74 ID:YAWJM86vo
リモコンの隣りに腰掛け、ふんぞり返ると
社長室から誰かが出て来たのが見え、慌てて身形を整える。
雑誌記者?それともテレビ局の人かしら?
7: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:32:34.17 ID:YAWJM86vo
「水瀬伊織、14歳。アイドル目指してます♪良かったら応援して下さいね」
「あぁ。応援するよ」
8: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:33:55.33 ID:YAWJM86vo
訝しんで目の前の男を観察する。
頼りなさそうな奴。
メガネも髪型も靴も時計もセンスが無い。
9: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:34:51.48 ID:YAWJM86vo
トップアイドルになってお兄さまを見返してやるんだから。
その一心でこの事務所に来た。
それなのに事務所は狭くて、クーラーも壊れてる。
10: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:35:42.25 ID:YAWJM86vo
「では、親睦を深めてくれたまえ」
私を気にも掛けず、頼んだよ君ィと、言い残して社長室に戻って行くオッサンの背中を睨む。
11: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:45:03.06 ID:oXn/sLfTo
「隣り、良いか?」
「はぁ?せめて向かい側に座りなさいよ。話しにくいじゃない」
12: ◆cjitx1hLjk[saga]
2013/05/04(土) 15:46:22.97 ID:oXn/sLfTo
「はぁ?私はあんたをプロデューサーだなんて認めてないの。分かる?」
「これからの俺の頑張り次第って事だな。精進するよ」
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