過去ログ - モバP「マッドサイエンティスト」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 13:55:47.63 ID:o2XpUSYf0
努力の甲斐もあってか、
2人が育てたアイドル音無小鳥は徐々に人気が出始めてきた。
テレビへの露出も増え、雑誌にも良く掲載されるようになった。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 13:58:05.34 ID:o2XpUSYf0
「今日は疲れてるみたいだからお休みにして!」
私は母に何回言っただろうか。
私が言うたびに母は
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 14:01:25.53 ID:o2XpUSYf0
ある日、留守番をしていた私の元に電話がかかって来た。
「お母さんが、倒れた。」
電話越しにも分かるほど取り乱した高木プロデューサーの声が私の頭に滑り込んできた。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 14:05:00.72 ID:o2XpUSYf0
私は、悲しみに打ちひしがれた。
そしてそれは高木さんも音無さんも同じだったのだろう。
ある時、音無さんが交通事故にあった。母の死の原因が自分だと考えて自殺しようとしたらしい。
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 14:09:25.89 ID:o2XpUSYf0
どうしたら、母は死なないで済んだんだろうか。
簡単だ、母が疲労を溜め込まなければ良かったんだ。
どうしたら、音無さんはアイドルとして輝けたんだろうか。
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 14:11:37.29 ID:o2XpUSYf0
母はもう居ない。
音無さんはもうアイドルになれない。
でも、これから不幸になってしまう人を助けられる。
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 14:13:45.60 ID:o2XpUSYf0
並大抵の努力じゃない。
つらい勉強、放り投げたくなることもあった。
その度に、母や音無さんの顔が思い浮かんだ。
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 14:15:15.08 ID:o2XpUSYf0
その結果私は日本でも有数の大学に入ることが出来た。
そこで優秀な成績を収めた私は
ある製薬会社に入社した。
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 14:19:01.23 ID:o2XpUSYf0
疲労を体からも思考からも完全に抜くことができる薬。
悩みや不安を消滅させる薬。
私が求めていたものを完成させたのだ。そして、
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 14:22:54.59 ID:o2XpUSYf0
『狂気の薬』
疲労を感じるのは当然のことであり、これを薬で消すなどと言うのは危険だ。
ましてや、人間の崇高な思考に直接影響を与える薬など存在してはいけない。
26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/06(月) 14:25:06.29 ID:o2XpUSYf0
クビを宣告されたわけではない。
でも、彼らの目は私に出て行けと言っていた。
私は自主退職を願い出て、承認された。
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