過去ログ - 有香「お砂糖とスパイスと、すてきなきもちでできたもの」
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6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/06(月) 22:54:24.44 ID:M9zGaZkXo
「……さっきの、聞いてた?」
「まあ、ちょうど入った時に聞こえたっつーか……」
「奈緒ちゃんはさ、あたしのこと、やっぱり女の子らしくないって思う……かな」
「いや、有香さんは充分女の子らしいだろ。
 衣装も可愛いのばっかだし、アタシよりよっぽどだよ」
「そんな、奈緒ちゃんこそあたしよりずっと可愛いよ。
 特にプロデューサーといる時とか……なんて言えばいいのかな、すごくいじらしくて」
「べ、別にんなことねえし……! それ言ったら有香さんだって、
 プロデューサーと一緒の時はすげえ笑顔で可愛いじゃん!」
「え!? あ、あたしそんな感じなの!?」
「少なくともアタシにはそう見えるけどなぁ」
「……やめよっか」
「だな。……二人とも恥ずかしいだけだこれ」

 不毛な言い合いが終わり、ほぼ同時に溜め息を吐く。
 気を取り直し、今度は奈緒が口火を切った。

「アタシは自分がガサツだって思ってる。有香さんもそうなんだよな?」
「うん。女の子らしくないよねって、今日ずっと考えてたんだ」
「女の子らしくするには……どうすればいいと思う?」
「えっと……料理、とか?」
「やっぱそういうとこだよなぁ」
「奈緒ちゃんは料理したことある?」
「全然。学校の家庭科の授業くらい。有香さんは?」
「あたしも同じ。一応、たまにお母さんの手伝いはしてるけど……米砥ぎとか」

 その程度じゃ未経験と大差ない、ということで見解が一致した。
 さらに追い打ちを掛けたのは、奈緒が語った、風邪をひいた時の話だ。
 見舞いに来たのあが、神谷家の台所を使って、
 病人用のお粥を作ってみせたという。
 普段から料理をしていなければ、そうはできまい。
 料理=女の子らしさと仮定するなら、
 のあと彼女達の間には、大きな溝が横たわっていると言える。

 有香は大変な危機感を覚えた。当然ながら奈緒も覚えた。
 早急に女の子らしさ、即ち料理の技術を習得しなければ、という謎の義務感に駆られた。
 斯くして、突発的料理会が開催される次第となったのである。


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