過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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116: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/05/18(土) 00:23:12.90 ID:n5x/fqYu0

部屋に戻って来た時の彼女の様子を思い返す。
顔を触っていたのは、結果として自分のせいだった。
視覚を持たぬ彼女には、鼻血と吐血の区別がつかない。
そこを考慮するならば、正直に羞恥を堪えて最初から真実を告げるべきだった。
彼女は何も気にしていないような顔をして、それでも傷ついたはずだろう。

加えて、彼女の下着や、あまつさえ胸まで見てしまった。

咄嗟に責任を取る、などという言葉を出してしまったが、具体案は無い。
しかし、少なくとも貞淑な女性を落ち込ませ、身体を必要以上に見たのだから、責任は取るべきだ。
そう考える彼は、誠実が行き過ぎて堅苦しい少年である。
家柄が高名で厳しく育てられたというのも、その埃を被った価値観に拍車をかけているのかもしれない。
最大の原因としては、彼が極端に女性との接触が少なかったということなのだが。
ともあれ、責任の取り方を四苦八苦して考えるアウレオルス。有言実行、言ったことは覆さない。

「……」

ごろり。

ベッド上で転がり、目を閉じる。
責任を取るとは如何なる事なのか。

仕事が失敗した場合なら、仕事を辞める事。
女性を孕ませたなら、父親になる事。
ペットを飼ったなら、死ぬまで面倒を看る事。

責任を取る、という典型的事案を頭に思い浮かべ、アウレオルスは悩む。
悩んだまま、徐々に徐々に、夢の中へ導かれていった。


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