過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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17: ◆2/3UkhVg4u1D[saga ]
2013/05/09(木) 21:36:41.14 ID:VkABzR7o0

「…呆然、雇う…とは?」

アウレオルスの脳内に浮かんだのは、顧問の二文字。
『完全なる知性主義』を究めるにあたっては、優秀な頭脳を持つ同じ教派の人間が傍に居た方が良いのはわかる。
自慢はしないが、彼は実に優秀な人材だ。
『隠秘記録官』の中でも最速の筆記を誇る、優秀な錬金術師。
パラケルススの末裔たる、才能にも恵まれた魔術師。
確かに、『神の右席』が顧問錬金術師として雇い入れるには最適の人材だ。
仮にそうなら今手がけている魔道書だけは片付けてしまいたい、とアウレオルスは思った。
盲目の少女は、そんな彼の思慮をあっさりと遮る。実に気軽な声で。

「言葉通りの意味だが?」
「それはつまり、…『神の右席』の顧問錬金術師として…?」
「いいや。それならば"個人的に"という言葉は使わんよ」

だとするならば、専属の錬金術師だろうか。
知識と頭脳を金で買うという行為は、魔術師の世界では珍しいことでもない。
勿論、教会世界は弱みを握ったり、様々な策を講じて人を留める事が多いが。

「まあ、雇う目的を明確に言おうか」

ごくり。

何やら緊張してきたアウレオルスに、フィアンマは薄い笑みすら浮かべてみせた。

「俺様の友人になって欲しい」




その日、アウレオルス=イザードは人生初めて、ギャグ的にずっこけそうになった。


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