過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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23: ◆2/3UkhVg4u1D[saga ]
2013/05/09(木) 21:41:06.44 ID:VkABzR7o0

それから、光を宿さぬ瞳をきらきらと輝かせた。
思わずたじろぐアウレオルスに、彼女は問いかける。

「俺様はそれを口にしたことがないのだが、苦いのか?」
「……雑然、もしもこのコーヒーのことを言っているのであれば、苦くはない」
「ふむ」

じー。

見えない筈なのに、手元に視線が注がれている気がする。
別に、彼女は卑しい根性など持ち合わせてはいない。
金ならそれこそアウレオルス以上に持っているし、不自由はしない。

「………」

きらきら。
じっとり。

相反する二つの表現が似合う視線を受け。
彼は、そっとカップを差し出した。
自分が口をつけた部分をハンカチで拭いたのは、紳士的な気遣いである。

「洒然、…飲めば良い。人の口伝にて聞くよりも、一度の体験が一番理解を得る」
「……気が利くな」

無言の圧力をかけておきながらこの始末である。
彼女は上機嫌にカップの持ち手を手にし、上品に啜る。

砂糖は一切入れておらず、僅かに牛乳―――否、ポーションミルクを溶かし混ぜたコーヒー。

ブラック程のキツさはなく。
カフェオレ程のまろやかさはなく。

が、美味しい。
少なくとも、コーヒーの味がわかる人間であれば絶賛する程に。


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