過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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292: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/05/25(土) 22:52:31.71 ID:BQcyfcyn0

アウレオルスは、逃げ出したままに。
職場の方の聖堂へとやって来た。
途中から走っていた彼は、息切れをしており。
インデックスは退去準備をする手を一旦止めて、冷たい飲み物を彼に差し出した。

「はい、お水。…何かあったの?」

心配そうに眉を潜めるインデックスからコップを受け取り。
一気に冷たい水を煽った後、アウレオルスは視線を彷徨わせてから首を横に振った。

「断然、問題はない」
「…本当に? 何か悩み事があるなら話してくれていいんだよ」

今日でお別れなんだから、とさみしげに微笑んで。
インデックスは、片付けを再開する。

「…時々、君を訪ねよう」
「ううん。…全部忘れちゃったら、会っても苦しくなるだけかも」
「だが、」

食い下がろうとするアウレオルスへ。
インデックスは、彼を見つめて優しく言った。

「アウレオルスには、大事な人がいるんでしょ?」

だったら、その人だけを特別にしてあげるべきだよ。

インデックスはそう言って。
アウレオルスの袖を掴み、軽く揺らしてにこりと笑む。

「無意識に惚気るなら、その赤髪の彼女に告白した方が良いんだよ」

頑張ってね、と最後に告げて。

さよなら。

銀髪の少女は荷物を詰め込んだ鞄を手に、教会から出て行った。

世界にはどうしたって救えないものがあるのだと、アウレオルスは知った。
そして彼女を救える人間は、救うべき人間は自分でないことも、思い知った。


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