過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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33: ◆2/3UkhVg4u1D[saga ]
2013/05/12(日) 14:58:22.93 ID:FBioGnLx0

翌日。
残念なことに、朝から雨が降っていた。
酷い雨だった。傘を差さねば三秒で下着まで濡れてしまいそうな大雨。

「……」

降りしきる雨音をゆるりと聞きながら。
フィアンマは退屈そうに、彼を待っていた。
時刻は午後三時。おやつ時である。
疲れが溜まっている彼の場合、一日寝ていてもおかしくない。
それならそれで仕方のないことか、とフィアンマはぼんやりと思う。

こうして長い時間人を待っていると、あの少年のことを思い出す。

『お、おれ、とうま=かみじょう。…きみは?』

"あの日"、別れ。

長い時間を待ち。
待って、待って、待って。
待って、待ち続け。
疲弊して、それでも待ち続けて。

執着心は、気付けば消えていた。
どうせ、助けになど来てくれないのだから、と諦めた。
そうして色んなことを諦めている内に臆病になっていって。
気まぐれとはいえ、自分から友人になってくれなどと言ったのは初めてだな、とフィアンマは思う。

「ッ!」

少年の、息切れした様子、息遣い、声。
フィアンマは神の子の像へ身体を向けたまま、問いかける。

「アウレオルスか?」
「当然、っはぁ、…申し訳ない」

コツコツコツ。

革靴の音が聞こえる。
その音は徐々に近寄ってきて。
それから、フィアンマの隣に座った。



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