過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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342: ◆2/3UkhVg4u1D[saga ]
2013/05/28(火) 21:44:51.24 ID:PHYiSdju0

足首にくくりつけた重石が、文字通り足を引っ張る。
ぶくぶくと水に沈みゆく体。
口からは空気が溢れ出し、肺の中の空気がたたき出されていく。
当然、苦しくなれば、人の生存本能というものは強く刺激される。
じたばたと藻掻く体にどこか他人事な滑稽さを感じながら、彼女は目を瞑る。

結局、何の幸せなことなど無い人生だった。
自分が世界で一番不幸だ、などとは思わない。
それでも、つまらない世界だとしか思えなかった。

せめて告白位しておけばよかっただろうか、と思う。
どうせ、迷惑そうな顔をしたってわからないんだ。
アウレオルスのことだから、断るにしても優しい言い方をしてくれただろう。

いいや、そんな断り方をされては、結局未練が遺る。

何をどうしてもダメな人間だな、と小さく笑った。
徐々に呼吸ができなくなり、仕方がなく水を飲み込む。

「…アウ、レオルス、」

だいすき。

呟くと共に。

彼女の手が、男の手に握られた。


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