過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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346: ◆2/3UkhVg4u1D[saga ]
2013/05/28(火) 21:46:24.38 ID:PHYiSdju0

奇跡とは、決してありえない事が起きることではない。

可能性がほんのごく僅かにあり。
努力を最後まで惜しまぬ人間が祈り。
神様と呼ばれる何者かが気まぐれで与える出来事のことだ。

故に、アウレオルスはフィアンマを見つけた。

彼女は、幸せそうに笑っていた。
笑いながら、一人の少年と手を繋いでいた。
親しげに話し、同じペースで歩いていた。
ツンツン頭の、東洋人の少年だった。
きっと、彼女が語るところの『かつて待ち続けた彼』なんだろう。

ありえたことだ。
むしろ、彼女のことを考えれば、彼がイタリアへ来たことは喜ばしいことだ。

それなのに。

アウレオルスは、心臓が握りつぶされたかのように痛みを発している事に、気がついた。
その痛みはやがて息苦しさに変わり、脳を焼き尽すような嫉妬心へと変化する。

「っ、」

そして、理解した。
フィアンマの暴言と、嘲弄の真意を理解した。
彼女は、きっと嫉妬していたのだ。

この痛みは、インデックスと必要以上に親しくなった自分が、彼女に与えていたものだ。

それでも、身勝手でも。
この痛みは、耐え難い、と感じた。

彼女の『特別』を他の誰かが埋めるのは、こんなにも辛いことなのだと知った。


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