過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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348: ◆2/3UkhVg4u1D[saga ]
2013/05/28(火) 21:47:37.73 ID:PHYiSdju0

やがて。
二人の会話の和やかさは、恐らくそのままに。
フィアンマの表情だけが、辛さを堪えたものへと変化していった。
彼らは別れ、フィアンマはそのまま、うつろな表情で歩いて行く。

辿りついたのは、海岸だった。
彼女はぼんやりと、石を自分の足首へ括りつけ、水へと足を踏み入れる。

ある程度の距離を取って追けていたのが、かえって仇となった。
アウレオルスは彼女の様子の異常さとその予想出来うる末路に気がつき、走り出す。
水に沈んでいきながら、彼女は笑っていた。

「Il Signore non da una prova che non puo essere la persona di sopportare. 」

神は、その人が耐えることのできない試練を与えない。


新約聖書の、−コリント人への手紙から抜粋されたものだった。

「Davvero...?」

本当に?

ふふ、と笑い混じりにそう呟きを漏らす彼女は、神様に問いかけているように見えた。
事実、そうだったのかもしれない。

世界全てに絶望した人間の声だった。
誰の『特別』にもなれはしないのだと、悟った少女の嘆きだった。


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