過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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467: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/06(木) 22:11:22.83 ID:DPX3UTXd0

『事情は知っている。同情もする。が、過剰防衛というのはいかがなものか』

力を持っているなら、それは弱者の安全と幸福の為に振舞われるべきだ。

そんな聖職者らしい言葉を放って。
それでいて、オッレルスより余程穢れた瞳で、彼女は力を振るっていた。
世界中の願いという名の身勝手を押し付けられた、救世主の幻想。
大きな組織の為に無理やり大義を押し付けられた、一人の少女。
ほんの僅かな間だけローマ正教の要職に着いていた彼は、彼女を知っていた。
彼女本人というよりは、彼女が"つくられた"経緯と目的を。

『君だって自らの境遇に自棄を起こした事だってあるだろう』
『あるとも。今だって世界中に復讐してやりたい気分でいっぱいだ』
『正当防衛だ。殺す権利はあるはずだろう』
『俺様が許さん』

見えぬ目で鋭く貫き睨み。
彼女は、オッレルスに向かってはっきりと言った。

『根っからの悪人でないお前に、罪を犯させる訳にはいかない』

だから、やりたくなくても立ちふさがる。

騎士達の前に立ち、これ以上は傷つけさせまいと自分を睨む盲目の少女の姿に。
いつか視た、自らの理想の姿を見た。


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