過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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500: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/09(日) 12:41:03.69 ID:elbuDb2J0

ようやく右席の面々の心配から抜け出したフィアンマは、空港までやって来た。
うーん、と辺りを見回し、サーチを使うべきかと小首を傾げる。
待合用の小さなソファーに腰掛けたところで、誰かが近づいてきた。
捜していた相手、アウレオルス=イザード(?)である。

「搭乗にはまだまだ余裕があるが、何かトラブルでも?」
「トラブルといえばそうかもしれんが、迷惑<トラブル>とは言い切れんな」
「……?」
「気にするな。…早かったな?」
「当然、詫びを兼ねているのだから当たり前のことだ」

相変わらずの誠実さである。
アウレオルスは彼女の隣に腰掛け、世間話をした。
魔術など一切関係の無い、日常的な話だ。
時折興味深そうに相槌を打ち、時々楽しそうに笑う。
アウレオルスが彼女を好きでいるのは、こういうところだ。
右方のフィアンマという立場に関わらず、表情が多彩で。
拗ねたり、傲慢に言い放ったり、寂しいと泣きそうになったり。
そんな普通の少女染みたところが、特に好きだった。
立場や名声で愛するようになったのなら、そんな恋人関係は長く続かないのだから。

「空腹だ。何か愉快な食物はないのか」

暗に物珍しいものを捜して買ってこいと強請り、フィアンマはアウレオルスの袖をくいくいと引く。
彼はしばし悩んだ後、周囲を見回して立ち上がった。
そして、メロンカツなるものを購入して、彼女の下へ戻る。

「…常識から少々外れたものを購入してきたのだが。当然、味の保証はしかねる」
「? 非常識な食べ物か。…まあいい」

興味を発揮し、彼女は箱を受け取る。
中身を口にし、首を捻った。

「……む…?」

美味しくない。
が、アウレオルスに買ってもらったものを捨てる訳にも吐き出す訳にもいかない。

不審がるような表情で食べていくフィアンマを、アウレオルスは心配そうに見つめるのだった。


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