過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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502: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/09(日) 12:41:38.69 ID:elbuDb2J0

日本からイタリアまでは、実に12時間もの飛行時間を必要とする。
が、ファーストクラスの席を予約した二人にとって、エコノミー症候群というものは恐れるべきものではなかった。
当たり障りの無い味の機内食を頂き、サービスの飲みものを啜り。
いくら仲が良くとも会話を12時間もし続けていられる訳もなく、フィアンマはアウレオルスの肩へ軽く寄りかかった。

「…俺様は寝る」

うつらうつらとしながら、フィアンマはそう宣言した。
遠まわしに、お前の肩を枕にさせろという要求でもある。
異存は無いので、アウレオルスは無言で頷くのみにとどめた。
そんな彼の態度に安堵を覚え、フィアンマは目を閉じる。
しばらくして、静かな寝息が聞こえてきた。寝つきが良いのか、余程疲れていたのか。

「……、」

アウレオルスは、無言で彼女の顔を見る。
長いまつ毛、青みを感じる程に真っ白な肌。
唇は薄く、肉感的ではない。故に、彫刻のような美術品的側面を感じる。
色っぽいのではなく、純粋に綺麗な顔なのだ。
それはもう、実は人形なのですと言われても信じてしまう程に。

「…ん、」

が、寝息はあって、寝言もある。
夢は見るし、微笑も見せる。

その人間臭い変化が、彼女が芸術品ではなく人間であることを示していた。


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