過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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[saga]
2013/06/10(月) 19:56:15.28 ID:WfX50zA50
上条当麻は、今日も今日とて不幸だった。
本当はフィアンマと会った日に帰る筈が、飛行機が欠便となり。
その後も天候不良であったり、実は未提出だったレポートが発見されたりで。
結局学園都市に戻れないまま、今日までの日にちをイタリアで過ごしてしまった。
「はー、やっと帰れる」
深い深いため息を吐きだし、上条は飛行機に乗った。
後は眠っていれば、順当に十二時間後には日本へ到着出来る筈だ。
「疲れた……」
まさかこんなにも長引いてしまうとは、人生最大の不幸かもしれない。
恋人である少女とはメールを交わしていたが、やや冷められてしまったようだ。
長い間離れ、実際のところ、その留学の目的が他の少女を救うため。
そりゃあ呆れられてしまっても仕方がないよなあ、と上条は思う。
思うのだが、悲しい出来事には変わりない。
さっさと寝て色々と忘れてしまおう、と目を閉じる。
数時間後、上条当麻は男の怒声で目を覚ました。
「テメェら全員手を挙げろ!」
怒声と共に、発砲音。
バリィン、という嫌な、ともすれば爽快な音がして、照明灯の一つが消えた。
乗客たちは泣き叫ぶも、高さを鑑みれば飛び降りて逃げ出すこともできない。
有り体に言えば、ハイジャックだった。
犯人達は集団であり、銃を突きつけ、乗客たちを拘束していく。
余計なことをされないようにか、添乗員にも同じように拘束を施した。
上条は驚きと焦りと恐怖を覚えながらも、冷静に状況を観察する。
今までも、こうした大きい事件には何度も巻き込まれてきた。
その度に不幸を嘆き、他者を巻き込んだ責任を取ろうと戦ってきたものだ。
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