過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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523: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/10(月) 19:59:50.51 ID:WfX50zA50

上条は、アウレオルスを見つめた。
それから、少しだけ言葉を出した。

「…俺、あの子を助けたかったんだ。
 そのために嫌いな勉強をして、嫌いな暴力を振るわれて学んで、強くなったんだ」
「………」
「俺は、あんたとフィアンマがどんな風に出会って、仲良くなって付き合ったのかは知らない。
 でも、無駄かもしれなくても足掻くこと位は出来るだろ。よく考えてみろよ。
 ……力があるから人を助けなきゃならないのか? それとも、助けたいから力を振り絞るのか。
 俺が絶対の正義なんて言うつもりはねえ。けどな、後者の勇気さえあれば、大抵の不幸なんざ乗り越えられる」

それは、多くの不運と不幸を生き抜いてきた男だからこそはっきりと言える一言だった。

「じゃあ、こうする。俺があっちに飛び込んであいつらをぶん殴る。
 その間にあんたはフィアンマを連れて脱出してくれ。後は何とかする」
「…少年。それでは貴様が、」
「俺は、どうだっていいんだ」

上条は、全ての異能を打ち消す右手を握り締める。

「俺は、フィアンマに救ってもらった。多分、彼女と出会ってなかったら死んでた。
 これまでだって何度も死ぬチャンスはあって、死にたい瞬間はあって。
 それでも彼女にもう一度笑って欲しくて、助けてあげたくて、必死に生きてた。
 仮にあの子を助ける為に死んだとしても、別に仕方ないと思ってる。
 でも、俺が死んだら、多分フィアンマは悲しむから。死なないつもりでいるけどな」

どちらがフィアンマの恋人なのか、わからなくなるような発言。
視線を落とすアウレオルスに、上条は告げる。

「時間が無い。あの主犯が復活する前に、俺は行くぞ」

言うなり、上条は再び座席の影から飛び出す。
アウレオルスと会話をしながらも、彼は服の袖を引きちぎり、太ももを縛って止血していた。


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