過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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54: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/05/13(月) 21:32:21.14 ID:KJCCmY/B0

翌日から、アウレオルスは再び職務に戻った。
しかし、フィアンマの言葉を踏まえ、前程無理はしなくなり。
キリの良いところで仕事を切り上げ、彼はフィアンマに会いに行くようになった。
体調が悪く無い限りは、ほぼ毎日のように。
そこに理由や根拠はなく、ただ『会いたいから』の一言に尽きる。
会ったところで時間が時間であり、聖歌を聞いて、お茶をして終わり、なのだが。
そんな日々を一ヶ月、二ヶ月と重ねていけば、当然親密さは増していく。

「果然、貴女は歌が上手いな」
「聖歌隊に比べれば下の下も良いところだ」

彼女が歌うものは、賛美歌が多い。
神を讃え、運命を愛する、そんなもの。
実際のところは、正反対の人生を送り、感情を抱えているのに。

「……お前は、基本的に時間に正確で良いな」

そんなことをぼやいて褒めて。
フィアンマは、静かにミルクティーを口にする。

「当然、時間とは厳守されるべきものだ」
「まあ、それはそうだが」

砂糖の溶けた甘い液体が、温かく胃に染み込んでいく。
そろそろ体重を気にするべきだろうか、とフィアンマは思った。
管理される幼少時代を送った影響で、彼女は非常に少食である。
故に細身は変わらず、精一杯食べようとしても限界はあるのだが、そこは年頃の少女である。
多少なりとも体重は気にしてしまうものだ。
まして、自分の姿は鏡で見ても確認出来ないのだから。

「俺様は、一つ、約束をすっぽかされた経験がある」
「…漠然、約束とは?」

問いかけられ、彼女は口にした。



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