過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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555: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/11(火) 22:22:42.00 ID:J05hxd8p0

翌日。
フィアンマは頼る相手に迷った結果、仲居にやってもらうことにした。
この手の着付け依頼などは慣れているらしく、テキパキとやってくれる。
アウレオルスは浴衣を着ないので、先に出てもらっていた。
出てもらうといっても、恐らく休憩所でぼんやりしていることだろう。
彼の体調が芳しくないのはきっと時差ボケか何かなのだろう、とフィアンマは思う。
色々と不審点はあるが、彼がアウレオルス=イザードであることは疑わない。

「出来上がりです」
「ん、…感謝する」

帯飾りを整え、出来上がり。
黒い生地とは逆に帯は薄いピンクで、リボンは赤。
フィアンマには見る事は出来ないが、きっと可愛らしいか、あるいは美しいのだろう。
浴衣に詳しくはなくとも芸術にはそれなりに詳しい彼が選んだのだ。
センスは優れたものなのだろう、と思うことにする。

「待たせたな」
「ふむ。結構な時間が経過したが君は疲れてい、……」

アウレオルスは振り向いて、彼女を視界に入れる。
それから黙って、彫刻を眺めるように、しばし彼女の姿を見つめた。
僅かにもじつくような動きを見せ、フィアンマはぼそりと問いかける。

「…お前の見立ては確かだとは思っているのだが。……似合う、か?」
「………当然だ」

絵本の中のお姫様でも見るような視線を向け。
それから、彼は笑みを浮かべ、彼女の手を取った。
手の甲へ軽く口づけ、エスコートの姿勢を見せる。

「さて、向かうとしよう」

この時間はきっと一生忘れられないものになるだろう、と二人は思った。


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