過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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557: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/11(火) 22:23:09.96 ID:J05hxd8p0

「何を食べるか、それが問題だな」

目の見えぬフィアンマは、彼に歩調を合わせてもらいつつ、出店を説明してもらった。
一般的なお祭りなので、屋台はちょっとした街の路地のように長く続く。

「…コットンキャンディー?」
「そのようだが」
「……味は違いそうだな?」

わたあめ屋さんの前で立ち止まり。
甘い匂いを嗅ぎながら、フィアンマは考える。

「……メロンの匂いがする」
「メロン味のようだが」
「いただこうか」

頷いて、フィアンマは購入する。
五百円の代償は、安っぽく甘ったるい香料の、薄緑の飴。
ふわふわとしていて存外大きいそれをちぎり、フィアンマは口の中に含む。
柔らかなそれはあっという間に口の中で溶け、砂糖へと戻る。
本国で発売しているコットンキャンディーよりも、幾分か優しい口当たりだ。
もぎっ、と小さくちぎり、フィアンマはそれを彼の口元へと運ぶ。

「……」
「……食べろというのかね?」

綿のようでも実情は砂糖の塊。
そんなものを直接舐めるのは抵抗があるのか、アウレオルスはやや引き気味に問う。
対して、フィアンマは童女のように首を傾げてみせた。

「あーん」
「む」

食べるしかなかった。


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