過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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597: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/14(金) 21:18:34.61 ID:Uuas/yrU0

目が見えるようになったのだから、と。
フィアンマは彼を誘って、夜空の下へ出てきた。
夕飯、入浴と引き止められ、アウレオルスは今宵彼女の家に宿泊することになりそうである。

「……」

彼女は無言で、アウレオルスの手を握って、空を見つめる。

1.0。

平均的な視力。
彼女が憧れていた、凡庸な視界。
だが、それはずっと求めてきたものだ。
焦がれ、与えられなかった生を恨む要因になったものだ。
星を見る、たったこれだけのことに、彼女はどれだけ幸せを感じているのか。
五体満足で産まれ、今まで特別何かに焦がれた経験の少ないアウレオルスには、わからない。
わからないが、彼女のその顔に浮かんだ微笑みから、その幸せを多少は共有出来る。

「…綺麗だな」

星空を眺め。
幸運にも満天の星、暗く美しい夜空は、彼女の機嫌を良くしていた。
楽しそうに言い、彼女はアウレオルスの手をやんわりと数回握る。



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