過去ログ - フィアンマ「暗闇の世界から」アウレオルス「当然、救い出す」
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79: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/05/15(水) 19:51:58.46 ID:Ue4N1XLa0

「何だこれは」
「マドレーヌ」
「ほう」

甘い洋酒の匂いがする。
少々ラムを入れてあるのだろうか。
芳醇で甘い香りが、フィアンマの鼻腔を擽る。
ヴェントは用事があるらしく、そのまま去っていく。
離れていく足音を聞きながら、わざわざご苦労な事だとフィアンマは肩を竦めた。
別にヴェントのことは好きでも嫌いでもない。ただの同僚だ。
性格的には微妙に合う程度だろうか、と適当に客観的な判断を下しながら、手探りで中身を取り出す。
中身のマドレーヌは紙で包まれていた。
市販品ならばフィルムで包んだものが一般的だと思うのだが、科学嫌いの彼女の買い物だ。
当然の事ながら、科学サイドの産物である透明フィルムなど嫌悪感が沸き起こるのだろう。

「……んー」

指先で数えてみる。
一、二、三、四。四つ。

机に落書きのように散りばめられている術式を応用して、現在時間を算出する。
午後三時。おやつ時だ。
隠秘記録官の仕事が、そろそろ終わる時間でもある。

「………」

右方のフィアンマは、退屈が嫌いである。



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