過去ログ - アコス「これ何連戦目…?」穏乃「あと一勝したら終わり…!」
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706: ◆FXjpmwQPeg[saga]
2014/01/05(日) 02:06:32.04 ID:8pnWu3Wco
――――――

―――…。


数日後――…。



夏だから、そうは言っても流れる汗が鬱陶しいのは仕方ない。
普段屋内でエアコンを効かせて涼しい思いをしているから屋外に出て……ましてや、東京ではなく奈良まで来ているとなるとすぐに屋内へ入ることは難しい。
冷房が効いた電車内から離れたくなかったほどだ。

終点までつき、こじんまりとしたホームを出ると広がるのは山や森だった。
森林浴とかいう言葉を聞いたことあるから山奥まで来ると涼しいほうかな、なんて思っていたのが間違いだった。

なんといっても日差しが強く、こんな状態で森や山の中に入ったら蒸してしまうんじゃないかと思うほど。

数年前にどこぞの田舎で買った麦わら帽子を無くしたのが痛かったかなぁ…、あれは本当にお世話になっていたのに…。

愚痴っていても仕方ない。駅員さんもこんな熱い中ご苦労様……って、中はしっかり冷房効いてるんですね、切符渡した時冷気が流れてきましたよ。
切符渡したらすぐに窓を閉めおった…。
むぅ……。こんなにも若い女性がつらそうにしているのになんでジュース一本奢らないのかな。
つまり私は若くないやいやいや、変なこと考えるのはよそう。

今日は大事な大事な用事があるんだから、早くそこへと向かわないと。

んと…とりあえず……ロープウェイ?
近くにロープウェイがあるらしい、パンフレットにはそう書かれていた。


とりあえず駐車場へと出てみる。
……なんだか駐車券とかがない駐車場は新鮮だ、何より白線すらない、ここにいっぱい車が止まりに来た時どうするんだろうか…。
……いっぱい来ることなんてないか、っていうのは失礼だよね! ……もう何も言わずにいよう。


すぐにロープウェイの看板を見つけた。
あ、ここの人たちは冷房のない中で仕事してる。ねぇねぇ一緒に駅員さんのところまで押しかけませんか? やっぱり人っていうのは冷房の中でこそ生活するものなんですよ。
なんて、笑顔で綺麗な汗をかいている人たちにそんな提案できるわけもなくロープウェイに乗りました。


ロープウェイなんて、初めての体験。
何より怖い。事故なんて起こってなかったよね? 実は事故があってもすぐにもみ消しにされてるだけで、死亡事故がいっぱい…なんてことないよね?ね?

短いけど長い、そんな時間を過ごした後ようやくついた山奥。
道へ出ると、少し驚いた。


駅前は緑いっぱい、人なんていない閑散とした場所だったのに。
ロープウェイを降りたら建物がずらーっと建ってるし、人もちょこちょこ歩いている。

というかここ山奥だよね? というより山の上だよね? なのに、駅前より活発だなんて……。
ふと道の隅に立っている木を見てみる。
緑色の綺麗な葉がたくさんついている力強い木だった。
……あぁ、そういえば…春になるとここは桜の名所なんだっけ。

そして、長い長い…坂を登った。

いやぁ……まだ二十代とはいえ…辛いなぁ…、まだ二十代とはいえ……これは十代でもきっと辛いんだろうなぁ……。
その時そう考えていた自分が少し悲しくなった。


そして、その坂を上りきりもう少し先に建っていた建物が目的地。
私はその中へ入っていった。



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