過去ログ - さやか「あたしが僕で僕があたしで」
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127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/13(月) 01:51:53.15 ID:9u61GnnE0
僕はさやかが腕を降ろす瞬間、思わず目を閉じていた。
閉じていたが、この手の感覚から、開けるまでもなく気が付いていた。
まどか「ど、どうなったの?」
目を開け、手を話して鹿目さんの声がする方に振り返った。
さやか「ごめん鹿目さん、戻らなかったよ」
失敗した。
原因は分からない。
そもそも、この方法が間違っていたという可能性は高い。
結局僕達はまだ、お互いの体に入っていることしか出来ないということだ。
まどか「そんな……」
さやか「やっぱり、他に方法があるのかもしれないよ。こんな漫画みたいな話に、いきなり正解が出るわけないって」
まどか「……さやかちゃん!」
ベッドを見れば、僕の腕からは血が流れシーツに染みを作っていた。
さやかは黙って左腕を見ていた。
鹿目さんがすぐにナースコールを押し、僕達はまたたっぷり怒られた。
流石に二度目ともなると、今度は僕の両親が呼ばれ、僕の代わりにさやかがしばらく怒られていた。
鹿目さんはお咎めなしで、何度も謝りながら病院を後にした。
こっちとしては、一つの可能性を試すことが出来たから、収穫はあった。
感謝したいくらいだ。
やがて僕は自分の両親に連れられて、さやかの家へと送り届けられた。
車中ではさやかに向けて、恭介と仲良くしてくれてありがとうとか、これからもよろしく頼むといった言葉を聞かされ続けた。
言うべき相手は、さっき自分達が説教をしていたけどね。
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