過去ログ - さやか「あたしが僕で僕があたしで」
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/11(土) 22:50:55.04 ID:flz/a+mq0
さやか「……それにしても、普通に歩けるのってなんだか久しぶりだな」

そういえばそうだった。

入れ替わったことが衝撃的過ぎて忘れてたけど、恭介は今、自分の意志で腕が動かせるようになってるんだ。

歩くのだって平気なんだ。

不思議というか、皮肉な話というか。

一生治らないと宣告されたその少し後には、もう動かせるようになってるんだから。

まあ、あたしの体だけど。

恭介「どんな感じ?」

さやか「うん、ちょっと懐かしい感じだよ。それに、腕が動くっていうのは、やっぱりいいよね……あっ、ごめん……つい嬉しくって……」

そっか、嬉しいんだ。

その言葉が聞けただけで、あたしは随分とほっとした。

何がどうなってこういう事態になったのかは分からないけど、あたしの体が恭介の役に立ってる。

それだけで、どこか嬉しくなった。

恭介「うぅん、いいの!あたしだったら腕の一本くらい動かなくても、どうってことないから!」

さやか「っ……あはは、そっか」

そして次の瞬間、すぐに血の気が引く。

さやか「じゃあ、僕はもう行くから。また明日ね」

恭介「う、うん……バイバイ」

扉が閉まるのと同時に、先程までのテンションはどこへやら、とんでもない罪悪感に襲われた。

よりによって恭介の体で、腕が動かなくて平気とか。

恭介「……馬鹿かあたしは」

一人になった部屋は静かで、思っていたよりもずっと広く思えた。

なんでこうなったのかとか、何であんなこと言ったのかとか、結局食事の時間まであたしは自問自答と自責を繰り返していた。


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