過去ログ - さやか「あたしが僕で僕があたしで」
↓ 1- 覧 板 20
42:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/12(日) 00:27:58.31 ID:Dgfk4HX70
*美樹さやか*
ご飯を食べてからも、あたしはずっと考えていた。
結局、あたしは恭介のことを何にも分かってなかった。
あたしが良かれと思ってやってたことは、恭介にとって迷惑でしかなかったのだ。
だから今度こそ覚悟を決めて、恭介のために腕を治そうと、願い事をしようとしたのに。
気が付けばあたしは恭介の体にいた。
それならそれで、他にあたしに出来ることもあるだろうに、よりによって最低の言葉を、あっさりと言ってしまうなんて。
恭介「ほんとに無神経だなぁ、あたしって。恭介の体なのに、腕が動かなくて平気とか大丈夫とか……馬鹿じゃないの!」
この体で何が出来るんだろう。
恭介のことだけじゃない。
まどかがもしマミさんのことで落ち込んでたりすれば、あたしはいつも以上にいつも通りにしていなきゃダメなのに。
恭介「はぁ……考えがまとまらないや。病院って静かだから考えるのには向いてるのかと思ったけど、そうでもないのかな」
感覚のない左腕を持ち上げ、マジマジと見つめる。
揺さぶってみても、手を離して落としてみても、やはり何も感じられなかった。
恭介「何よ、あたしの魂が入ってんなら今までのあたしみたいに動きなさいよ」
全く、誰がやったのか知らないけど、魂が入れ替わるなんて奇跡はいらないから、恭介の腕を治してよ。
あたしと恭介の腕を交換するのでも何でもいいから、恭介を助けてよ。
恭介「はぁ……ま、ひょっとして朝起きたら元に戻ってるかもしんないし……もう寝よっ」
頭の中はぐるぐるごちゃごちゃしたまま、いつの間にかあたしの意識は深い闇に落ちていた。
234Res/164.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。