過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/12(日) 03:28:44.07 ID:4XvL6raG0
エルフ「はぁ…はぁ…………あっ」


慣れない砂海の移動は非常に堪える。ここまで何度転んでしまったことだろうか

そもそも、何も準備なしでこの『砂海』へ飛び出すのが無謀なのだ

どんなに強靭な肉体を持つ魔物とはいえ、装備なしでここへ投げ出されては 衰弱してしまうだろう


エルフ「足が痛い、寒い、寒いっ……はぁ、はぁ……!」


故郷で母がよく淹れてくれたスープが今とても恋しい

夜の砂漠は冷えるとよく聞かされたものだが、まさかここまでとは思わなかった

体の芯から震えあがる。どこを見ても暖かな光一つ見当たらない

上を見上げれば満天の星空に丸い月が見える。しかし今は綺麗と思うより、それが余計に私の体を冷たくさせている


エルフ「あぁ……あ……」

旅人「……おい」

エルフ「えっ……?」


ぱさっと私の頭の上から何かが覆いかぶさった。鎧の男が身に纏っていたマントだ

すぐにそのマントで体を包み、寒さを凌ぐ。まだ冷えるがこれでもさっきよりは幾分かましに感じられる


旅人「立て、ここで寝れば死ぬぞ。せっかく手に入れた自由を無駄にしたくはないだろう」

エルフ「……」

旅人「店主から蹴られ、鞭を振るわれだいぶ体を痛めているというのに よくここまで歩けるもんだな」

旅人「俺に着いてくればまた痛い目を見るぞ?」

エルフ「……それでも大丈夫だから」

旅人「呆れたものだな。感心してしまったぞ」


兜の下で彼は無様な私を見降ろし フと笑みでも浮かべているのだろうか


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