過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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[saga]
2013/06/10(月) 05:29:18.62 ID:uZE+3x3o0
ナナシは気を失い倒れた隊長の元へゆっくり近づいた
…何か嫌な予感がする。私は彼の元へ駆け出し、隊長とナナシの間に入るように立ち塞がった
旅人「どうした?」
予感は的中だ。ナナシは彼が落とした武器を拾い、息の根を止めようとしていたのである
エルフ「やめて。もう十分だよ」
旅人「お前を取り戻すついでにこの男を殺せと頼まれていた。首を持って街へ帰れば金も食料も手に入る」
最初から殺すつもりでいたとは思いもしなかった
思えばこの魔物は街の迷惑者なのだ。今までやり取りに騙された感はあるが
エルフ「それで手に入れた報酬なんて必要ない」
旅人「だが 金がなければあの店から解放されん。それとお前が決めるな」
旅人「俺が引き受けた話だ。だから俺が勝手にやらせてもらう」
言って聞くような男ではない。…いや、そんなわけがない
そんな人間ならば 私は彼に魅力を感じることはけしてなかった
だから
エルフ「やめてください」
旅人「おい…………」
じっと彼の兜の奥に見える闇を見つめた。そこに瞳はない
エルフ「お願いします。無茶を言ってるのは自分でもわかる。だけど」
旅人「お前のために手に入れようとした食料だぞ? これでは俺たちはこいつと無駄な時間を過ごしていただけじゃないか」
エルフ「無駄なんかじゃない。記憶がないあなたに一つ思い出ができたと思う」
エルフ「これからも……私と一緒だと無駄な時間を過ごすかもしれない。でも」
エルフ「それはきっと あなたにとって新しい記憶になれる。くだらなくても、面白くても」
旅人「くだらん。俺が求めているのは元の記憶だけだぞ……」
そう言いつつナナシは手に持った武器を捨ててくれた
代わりに砂の上に置いた荷物とマントを持ち、さっさといつものように一人で前を歩き始める
慌てて私もその大きな背中を追いかけた
…振り返ると魔物たちが隊長をアジトの中へ運んでいる。例の魔物と残った数匹は襲いかかることなく、ただ私たちを黙って見送っている
仲間を殺した怨みはまだ残っているだろうに
エルフ「もう一度 私の名前呼んでくださいよ」 旅人「断る」
エルフ「照れなくていいんですよ〜 ナナシさん?」 旅人「照れてない」
エルフ「こら無視すんなぁー! ちょっとー!」 旅人「お前、もう少し離れて歩け。かなり鬱陶しい」
エルフ「あぁー!! もう……」
…ありがとう ナナシ 私の無理なわがままにいつも付き合ってくれて
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