過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/28(金) 05:35:30.11 ID:MxRZysKk0
エルフ「げほっ、げほっ! う…ぇ……はぁ、はぁ……! い、いたいっ、ぐっ……」


意識が回復し始め 胸へ手を置くと開いた穴がいつのまにか塞がっていることに気づく

やはり いくらナナシであろうと私を完全に殺すことはできないようだ

まだ二人は…いや、ナナシは一方的な戦いを続けている

自由が効かない体を両腕で支えて 彼の元へ私は這って近づく

きっと さっきの出来事は単なる事故なんだ。ナナシがミスをしただけで…

…いや、彼はしっかり私へ向かって「邪魔だ」と吐き捨てるように言った

迷いなく攻撃の手を伸ばしたし、その行為に後悔する様子もない

皮肉なことに ようやく振り向いてくれたナナシは 私に対してそこらに転がる石と同じように払いのけるだけだったわけだ

本当に、いまのナナシには戦士しか…自分しか見えていないのである

妨害するのであれば 先に排除されてしまう


エルフ「ナナシ…………」


見ればみるほど 私の目の前で暴れる彼は 理性を失った獣でしかなかった


エルフ「 ま、まもの 」


エルフ「今の あなた 完全に魔物だよ…………」

エルフ「人間じゃない……すごく、こわいよ……!?」


旅人「…………」ピク  

戦士「あん?」


戦士「どうした ようやく満足したか?」


ナナシの動きが突然ぴたりと止まる

話しかけてもまだ反応は返ってはこない。しばらくして ゆっくりと近くの岩柱の傍へ歩み寄って、背を預けると腰をおろして見せた


旅人「……」

戦士「…………お前な 一体何がしたいんだ?」

旅人「……黙ってくれ」  

戦士「はぁ? ……まったく」


戦士も戦闘態勢を解くと、その場に先程のように寝転がり 黙ってナナシの方を向いている

さっきまでの出来事がまるで嘘のように、嵐が去って行ったように 静けさを取り戻す



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