過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/13(月) 03:36:19.10 ID:iQngikaH0
抑えようもない突発的な衝動に駆られ 彼へ向かって水筒を投げてしまった

たしかに歌ってもといいかと聞いた。だが、上げるだけ上げといて「いらん」はないだろう


旅人「…………」


兜を摩りながら砂の上に転がった水筒を拾い上げ、私へ向き直った

…怒られる、のだろう 私は


旅人「休憩は十分取れたのか?」

エルフ「えっ!?」


声の調子はさっきと全く変わらない。「最近調子どう?」みたいな挨拶のように適当で、怒り一つ見られないのだ

ゲンコツ一発飛んでくるぐらいなら覚悟を決め終えていたところなのに

なんか拍子抜けである


エルフ「怒らないの? 奴隷の私が恩人のあなたへ失礼なことをしたのに」

旅人「奴隷からは解放されただろう。そして 特に頭に来るようなことでもなかった」

旅人「むしろお前が元気になれたのが分かった。さぁ 立て」


言いながらも彼は既に一人で進み始めていた

慌てて私もそれに着いて行く

…この男、まったく掴めない。堂々とした振る舞いだが何を考えているのかさっぱりだ

空気を相手にしているみたいな、よく分からない気分にさせられる


エルフ「えっと、ごめんなさい……つい やっちゃいまして」

旅人「…………」

エルフ「……やっぱり怒ってない?」

旅人「別に」



砂海に吹く冷たい風が私の髪をくすぐってゆく



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