過去ログ - エルフ「私は死にたい」旅人「俺は生きたい」
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34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 01:45:21.25 ID:tFeDUip20
エルフ「……こんばんは〜……誰か……いませんよね……」


恐る恐る時間をかけて階段を昇り終えると、2階へ到着

窓から入る月や星々の光のおかげで下の階よりは明るさがある

が、それでも薄暗さは残り 私の肝を冷やさせてくるのだ


エルフ「お父さん、お母さん……お願い、暗闇に負けない勇気を私にちょうだい……」


部屋の中は窓が全て割れているせいで 外の砂がいっぱい入りこんでいた

床が見えないという程酷いわけでもないが、これを見れば 十分何かが住んでいる可能性は低いことがわかる…しかし


エルフ「……テーブルとイスだ。ボロボロでとても古いけれど」


というよりは ほとんど壊れている。無造作にそこに木材が散らばっているような光景だ

これが存在するという事は過去に誰かが住んでいたのだろう

テーブルは大きめ。イスは原型がある物を数えて約3、4脚


エルフ「ここ 大きな建物なのにこれしか数がない……お金持ちの家族の家だったのかな?」


それが人間か魔物かは証拠が見つからない限り 見当もつかないわけだが


エルフ「で、これは?」


テーブルの表面に刃物で傷つけられた後があった

というよりは彫られたものだろうか。手で上にかかった砂をさっと払ってみる


エルフ「絵なのかな、これって。子どもが適当に彫った感じだよね」


乱雑に丸と線を繋いで絵が 何個か同じように彫られてあった

丸の中に目と口と思われる線がある…これは魔物の子どもが描いたものとは思えない

おそらく人間の絵だ。この子の家族の絵なんだ


エルフ「笑ってる風に描いたのかな……家族と一緒に笑顔でいるところ……」


丁寧なことに絵の下には家族の名前であろう文字と年齢も彫られている


エルフ「お父さんが41、お母さんが32、真ん中で手を繋いでいる子は……5歳」

エルフ「……もう いいや。ちょっとだけ見るの辛くなってきちゃった」


きっとこの絵に彫られた家族は皆 一人残らずこの世を去っているのだから



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