過去ログ - 桃子「桃が咲くまで」春「春を待てない」【咲SS】
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10: ◆oeEeLVGR7U[saga sage]
2013/05/12(日) 23:41:24.21 ID:AQrlBuQl0
-side 桃子


はぁ…

勢いで部室を飛び出してきてしまったけれど、そう簡単に先輩が諦めるとは思えない
でも舞台の上に立つなんて…

もらった原稿に視線を落とす

『桃が咲くまで、春を待てない』

去年見学に来たときの演目も、むっきー先輩が書いたらしい
部員が少ないから登場人物も2人だけだったけれど、それでも面白かった

今回もそんな展開なんだろう…
ということは、演目の半分はしゃべっていないといけなくなる

やっぱりそんなこと、できるわけない

ドン!

「いったぁい…」
「あ、ごめんなさいっす」

不注意で誰かにぶつかってしまった
慌てて顔を上げると、そこにいたのは

「あ、会長っすか」
「ああ、モモちゃんか。気をつけなさいよ、あなた人から見えないんだから」
「…申し訳ないっす」

生徒会長、竹井久
先輩が副会長をしている関係で演劇部の部室にもたまに顔を出すため、少しは話をしたことがあった

「どうしたの、考え事でもしてた?」

立ち上がる会長の視線が、私の手元に移る

「台本? モモちゃん、ついに舞台デビューするのかしら?」
「しないっすよ。してくれとは言われましたけど」
「ゆみはなかなか諦めないから、どうしても嫌なら相談に乗るわよ」

あの先輩をして一目置かれている会長
けど、相談したらしたで、事態がややこしくなりそうではある…

まあ、頼るにしても最終手段っすかね…

「それにしても、夏フェスで演劇するなら、ゆみはあまり当てにしない方がよさそうね」

うーんと少し考え込む会長

「…当てにしないって、なんすか?」
「いや、だって夏フェスは生徒会が運営するから、副会長のゆみにはそれなりに仕事があるし…」

クラスの出し物は学級委員がバスケ部部長の小走さんという人だからそこまで負担にはならないにしても、生徒会の負担を0にすることはできない
さらに演劇までしたらかなりハードになるだろう、というのが会長の話だった

「去年の劇は私も暇だったから照明係として手伝ったんだけど、今年は無理だろうし」
「そうだったんすか」
「それに演劇したら部活対抗戦とかぶるかもしれないし、対抗戦はどうするつもりなのかしら?」
「えっ…」

当然、対抗戦には出ると思っていた
けど、演劇を優先して対抗戦には出ない?

「対抗戦に出ないんっすか…」
「直接は聞いてないわよ。演劇部の登録票は出てなかったと思うけど、まだ提出日まで何日かあるから」

そんなの…
そんなの嫌だっ

「あ、モモちゃん!」

会長の声を背にして、私は部室に向かって走り出した

どうしてっすか、どうしてなんっすか、先輩…


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