過去ログ - 桃子「桃が咲くまで」春「春を待てない」【咲SS】
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35: ◆oeEeLVGR7U[saga]
2013/05/21(火) 23:52:14.81 ID:6/vQaaGJ0
-side やえ

-体育館


「よーし、じゃあ今日の練習は終わりだ。十分にクールダウンするように」

練習を終え、私はタオルで汗をぬぐう

「部長、ドリンクです」
「ああ、すまないな由華」

後輩の巽由華からドリンクを受け取る
そのとき、ふと体育館の外を見た

「……あれは?」
「どうかしました、先輩?」
「片づけを頼む」
「え、はい」

あまり体育館には来ないはずの人影を見かけ、私は外に向かう

そこにいたのは、同じクラスの加治木ゆみだった
…なぜこんなところにいる?
それに、表情もいつもより暗いように見える

「おい、ゆみ」
「…ああ、やえか」

声をかけると、ゆっくりと振り返った
いつもならもう少しキビキビ動くと思うのだが、やはり様子がおかしいようにみえる

「こんなところに来てどうした? 寮は反対方向だろう?」

文科系の部活と体育系の部活は部室が反対側になる
だから部活の帰りにしてもこんな方には来ない

「ああ、気晴らしにな」
「気晴らし、ねぇ。相当な悩みのようだな、ただでさえ辛気臭い顔をしているというのに」
「普段から辛気臭いみたいな言い方だな」
「ふふ、言い返すくらいの元気はあるか」

お互いに肩をすくめる
そして私は、ゆみの隣の空間を指さした

「さて。隠れていないで出てくるといい、ステルスモモ」
「……いや、今日はいないぞ」
「そうか…」

適当に指させばだいたい出てくるのだが、今日はいないらしい
だが、いないということは…

「なら気晴らしをしないといけない理由は、かわいい後輩に関わることかな?」
「久といいお前といい、察しが良すぎるな…」
「気晴らしをしたいというのなら、私に愚痴ってくれても構わないぞ」

どうせ一人で抱え込んでしまって、無駄に問題を大きくしてしまっているのだろう
久のように振る舞えとは言わないけれど、それでももう少し周りを頼ればいいのにな…

ゆみはため息をつく

「じゃあ、着替えが終わったら少し付き合ってもらえるか?」
「いいだろう」


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