過去ログ - 桃子「桃が咲くまで」春「春を待てない」【咲SS】
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37: ◆oeEeLVGR7U[saga]
2013/05/22(水) 00:10:35.81 ID:ZQCnUC2x0
「あれー、やえさんじゃないですか!」

そう考えようとした矢先、底抜けに明るい声が学食中に響いた

「穏乃、静かにしなさい…」
「いや、だってこんなところで会うなんて珍しいなぁって思ってさ」

そう言い合うのは高鴨穏乃と、もう一人穏乃と同じように黒髪をポニーテールにした1年生だった

穏乃は同郷のよしみということで何度か話す機会があったので知っていた
かなり体力があるし、脚力もある。できればそのスピードをバスケに生かしてほしかったが…

並んでいる2人を見ると、髪をリボンでまとめているかゴムでまとめているかくらいの違いしかないので、まるで姉妹のように見える
身長の差もあって、どうしても穏乃が妹に見えてしまうが…

「南浦さんか、こうして会うのは久しぶりだな」

ゆみが顔を上げて微笑む
さすがに表情の切り替えは早いようだ

南浦、か。そういえば牌譜を見た記憶があるがどこでだったろう
そう考える間もなく、彼女自身が答えをくれた

「そうですね、桃子とは毎日会っていますけど」

そうだった、桃子と同じクラスだったからだ
今はその名前を出してほしくなかったが、そんなことは分かるわけがないしな

ゆみは一瞬だけ表情を暗くしたが、2人がそれに気づいた様子はなかった

「モモは見つからなくて大変だろう?」
「そうでもないですよ、滝見さんが見つけてくれますから」
「滝見さん?」

また聞いたことがあるようなないような名前
同じクラスなのだからおそらくクラス対抗戦の牌譜を見たこともあるのかもしれないが、あまり印象には残って

いないようだ。あるいは出ていなかった人物なのかもしれないが…

「その、滝見さんという人にはモモが見えるのか?」
「ええ、ご存じなかったんですか?」

そう問い返されたゆみの心境たるやいかばかりだろうか…
自分が見えなくて苦しんでいるというのに、その桃子を簡単に見つけてしまう人物がいるというのだから

「…そうか。きっと誰かに簡単に見つかるなんて、私には恥ずかしくて言わなかったんだろうな」
「そうかもしれませんね」
「それにしても、お二人はこんなところで何をしてたんですか?」

空気を読んでか読まずか、穏乃が話題を変えてくれた


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