過去ログ - 桃子「桃が咲くまで」春「春を待てない」【咲SS】
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◆oeEeLVGR7U
[saga sage]
2013/05/12(日) 23:36:05.29 ID:AQrlBuQl0
-side 智美
-演劇部部室
ゆみちんは、ペラ、ペラと、確かめるように1枚1枚原稿をめくっていく
夏フェスのための演目として昨日むっきーが書き上げてきたばかりの原稿
そのむっきーは、緊張の面持ちでゆみちんの表情を見守っていた
まあ、全部読むまでゆみちんが表情を出すことないんだろうけれど
「お疲れ様っす」
そこに、モモが入ってきた
「あれ、いやに静かっすけど、なんかまずかったっすか」
「ワハハ、今ゆみちんが原稿呼んでたからなぁ」
「あ、じゃあ大人しくしてるっす」
「その必要はない。今読み終わったからな」
原稿を持ち、トントンとまとめる
そうしてようやく、ゆみちんはほほを緩めた
「細かい推敲は後にするとして、本筋は問題ないと思う。よかったよ」
「ありがとうございます」
お褒めの言葉を戴き、むっきーはようやく緊張から解き放たれたようだ
「問題は、誰を演者にするかだが…」
ゆみちんは、モモに視線をやった
「モモ、役者をしてみないか?」
「はっ!?」
まるでシャープシュートを食らったかのように驚きの表情を浮かべるモモ
「ななななな、何を言ってるんすか? 私にそんなの無理っす無理っすよ!」
「だが、この台本を読むと一番しっくりくるのは、モモ、お前なんだ」
「いくら先輩の言葉でも、それは無理っす」
まあ、目立たないモモが、嫌でも注目を浴びる舞台に上りたがらないのは当然と言えば当然だった
でもきっと、ゆみちんはそれを克服してほしいなんて思ってるんじゃないかなぁと思う
当のモモは、そんなことは望んでいないのだろうけれど
「こんにちわぁ。ホームルーム長引いちゃったぁ」
少々疲れた表情で、かおりんが部室に入ってきた
「あ、それ睦月ちゃんが書いた台本ですか?」
「ああそうだ。あとでみんなで読んで、細かい推敲をしたい」
「じゃあ採用なんですね。よかったね、睦月ちゃん」
「うむ」
「ちょっと待ってください、私は舞台になんて立てないっすよ」
台本が採用されたら自分が演じなければならないと思ったのか、モモが慌てて大声を上げた
「ワハハ、落ち着けモモ。別にモモに演じろって決まったわけじゃないんだからな」
「でも、しっくりくるのは私だって言ってるじゃないっすか」
「とりあえずモモも読んでみたらいい」
ゆみちんは、まとめた原稿をモモの前に置いた
「読めば、少しは考えも変わるかもしれないしな」
「……変わらないっすよ。今日は帰るっす」
そう言うとモモは原稿用紙を取ると、スッと消えてしまった
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