過去ログ - 桃子「桃が咲くまで」春「春を待てない」【咲SS】
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91: ◆oeEeLVGR7U[saga]
2013/06/16(日) 22:57:11.15 ID:DrBXk66f0
-side 誠子

-翌朝
-2年11組


今日は朝練もないので、ゆとりをもって登校する
教室に入ると、もう半分くらいは教室にいて、思い思いに雑談したり本を読んだりしていた

「おはよう、灼」
「おはよ…」

今来たばかりなのか、カバンからノートやらを机に入れている鷺森灼に声をかけた

「今日は部活じゃないんだ?」
「テストも近いしね。それに対抗戦でちょっとずつピリピリしてきたし」

アーチェリー部の三連覇がかかっていることもあって、部活対抗戦への意識は半端ないものがある
でも、宮永先輩のクラス対抗戦・部活対抗戦・個人戦の9冠がかかっているというプレッシャーの方が大きかったりする

ここで負けでもしたら、あいつのせいで宮永先輩は前人未到の9冠が達成できなかったなんて言われるのは目に見えている
それを部員みんなが感じている…

「もうそんな空気なんだ…。さすが連覇中の王者アーチェリー部は違…」
「茶化さなくてもいいよ。それに今年はかなり危なそうだし」
「…そう?」
「やばそうな部活筆頭の部長さんが何を言ってますやら」
「うち、そんな評価なんだ…」

心底意外そうにつぶやく灼
まあ、一介の挑戦者という立場なら気楽なのかもしれないけれど

「客観的にも主観的にも戦いたくない部活筆頭だよ」
「そうなんだ…」
「ういーっす」

そこに井上純が声をかけてきた

「ん、もう対抗戦の話か? 気が早いんじゃねーの?」
「こっちはいろいろ大変なんだよ、昨日も10人の枠に誰を入れるかで会議があったし」
「本格的だな、こちとらフルで5人だから会議も何もありゃしねーよ」

あきれた表情の純
人数が多い部活なら、会議とか開かないまでにしても部長と近い人が数人で、誰を入れようかみたいな話はしているはずだ

逆に純とか灼みたいに少ない人数の部活だったらそんな問題もないのだろうけれど

「特に部長が一番ピリピリしてて、絶対に連覇するって意気込んでるから」
「ああ、別の連覇もかかってるからなおさらか。そういう空気はかったりーな」

ただ部活としての連覇がかかっているだけならそこまででもなかったかもしれない

「それで、さっきの続き…」
「ん、ああ。ボウリング部とは戦いたくないって話か」

客観的、主観的とわざわざ分けたのには理由がある

「客観的ってのは、クラス対抗戦の決勝戦に出た人数。もちろんこれだけじゃあ強さは測れないと思うけど、それでもボウリング部は4人」
「私だけ行けなかったから…」
「そういうことを言いたかったんじゃないんだけど」

灼を落ち込ませるつもりで言ったんじゃなかったのになぁ
うちのクラスは2日目で負けてしまったから、ボウリング部は灼だけ行けなかったみたいに聞こえたかもしれない

「そんなこと言ったら、俺たちなんて衣だけだぜ。それが強い弱いの指標にはならくねーか?」
「まあそうなんだけどさ…。でも、ボウリング部を警戒する指標にはなるだろ」

うーん、なんか変に脱線してしまってる感じだな…
でも確かに、決勝戦にメンバーが出てない部活は弱いと聞こえても仕方ないか…

説明の仕方が悪かったかな
でも昨日の会議でも、そんな理由も含めて部長が結構警戒してたし、普通に通る理由なのかと思ったけど…

「とりあえず客観的な方は分かった…。それで、主観的な方は?」
「ホントに主観的っていうか、個人的な意見だからな」
「それでいいから…」

あらかじめ断っておく
灼も純も興味深そうに私を見た。うーん、そんなに期待されると言いづらくもあるけれど…


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