過去ログ - モバP「幸子の見舞いに行くとするか」
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:42:14.39 ID:4Tq6pmkmo

「……何言ってんだ。それは他をあたってくれ、俺は帰るぞ」

 食べつくされて空になった皿と食器、それから自分の荷物を持ち上げる。
 忘れ物はないか右へ左へ首を振っていると、

「そう、ですか」

 まるで断られるのを望んでいたかのように、幸子はほっと息を漏らした。
 何にそんなに充足感を得ているというのか。
 ただからかってみた、というふうでは無さそうだが――

「それじゃあな。ちゃんと安静にして、さっさと治すんだぞ」
「お任せください。カワイイボクがいないと、プロデューサーさんも寂しいでしょうしね」
「言ってろ」

 疲れてきたのでつっけんどんに返し、部屋のドアを開ける。
 幸子はもう、呼び止めてこなかった。

 廊下に出ると、あの居心地の悪さが猛烈にこみ上げてくる。
 まっすぐ帰りたいけど寮母さんにご挨拶をせねばなるまい。皿と食器も返さないと。
 
 すれ違う他のアイドル達に時に絡まれ、時に叫ばれ、時に――割愛。
 体が勝手にいそいそと空き巣みたいな足取りでこの場を離れたがっていた。

 居心地の悪さとは別に、よくわからないもやもやを抱えて。


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