3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:01:50.16 ID:lqAVt1v7o
 キミの方こそ、変わってると思うけど 
  
 そうボクが返すと、彼はさらに笑い出す 
 その声を隠すつもりはないらしく、見ると教室の半分ぐらいの視線がこちらへ向いていた 
 ボクは恥ずかしくなってその人から目線を逸らすと、とりあえず他人の振りをすることにした 
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2013/05/16(木) 02:03:00.74 ID:lqAVt1v7o
 「よう、お疲れさん」 
  
 次にその声が聞こえてきたのは、学校の説明がもろもろ終わった放課後 
 後ろから肩をポンと叩きつつ掛けられた声にボクはため息混じりに振り返った 
 正確には、学校の説明もろもろの間にもこの声は聞こえていたのだが 
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2013/05/16(木) 02:03:27.89 ID:lqAVt1v7o
 何か用? 
  
 「別に」 
  
 そう言いながらも、彼はボクの隣を着いてくる 
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2013/05/16(木) 02:03:56.50 ID:lqAVt1v7o
 ボク、こっちだから 
  
 「おう、そうか」 
  
 そう言ってまた歩き出したボクの隣に、また彼が並ぶ 
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2013/05/16(木) 02:05:43.42 ID:lqAVt1v7o
 ボクの家、ここ 
  
 「ん、そうか。それじゃ、また明日な」 
  
 結局最後まで着いてきた彼にそう告げると、彼からやっと言葉が返ってきた 
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:07:38.60 ID:lqAVt1v7o
 「オッス、おはよう」 
  
 ……おはよう 
  
 昨日のなんだったのかという感情は、今日のコレですべて解消された 
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:08:31.88 ID:lqAVt1v7o
 「教科書貸してくれねぇ?忘れちまった」 
  
 ……はい 
  
  
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:08:58.98 ID:lqAVt1v7o
 「食堂行こうぜー」 
  
 うん、いいけど 
  
 二つ目、彼は基本的に弁当などを持参しない 
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:09:27.12 ID:lqAVt1v7o
 そして最後に 
  
 「オッス、待たせちまって悪いな」 
  
 ……いいよ、ボクも今終わったところだから 
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/16(木) 02:10:02.91 ID:lqAVt1v7o
 無言のまま並んで歩く街並み 
 聞こえるのは二つの鎖の音だけ 
 もう慣れてしまったそれを、ボクは少し違う気持ちで聞いていた 
  
 「ほらこれ、俺とお揃い。どうよ?」 
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