50: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/05/17(金) 11:29:42.64 ID:AYYPALgf0
【森久保、地球へ】
森久保乃々が射出されてから数年が経った。
今も俺はアイドルを支えながら彼女の帰りを待っている。
JAXAとNASAに毎日連絡を取り、変化があればとお願いをしていた。
けれど…いつ、帰ってこれるのだろうか。彼女は、大丈夫なのだろうか。
「これは…俺のミスです。責任を取って」
『君のせいじゃない。引き続き、一緒に帰りを待とう』
『彼女の帰る場所を、私たちで維持しなければならないのだから』
社長の温厚な性格は、数年経った今でも代わりはない。
年少組は少し大人びて、年長組はさらに妖艶になってきている。
そんな中、時間の止まってしまった森久保乃々は、今、どうなっているのか。
「もしもし」
『今、NASAから連絡がありました。ロケットが戻ってきているようです』
『もしかしたら…乃々ちゃんかもしれません』
「すぐ行きます!」
俺は走り出していた。
森久保乃々が、帰ってくる。
俺は嬉しくて、泣きながら走った。
乃々。乃々。彼女に謝罪しなければならない。
東京の観測所に連絡を取り、ロケットの姿を確認した。
そこから降りてくるのは、森久保乃々。ああ、彼女だ。間違いない。
数年経った今でも、彼女は何の変化もなかった。
とても彼女の声が聞きたい。
その想いは通じ、連絡をとることが許された。
第一声に躊躇いを覚えたが、乃々、と軽く名前を呼んでみた。
「も、もしもし…戻って、来ました」
『ああ、乃々。よかった。ごめん。今まで、どうしてたんだ』
「えっと…よくわからない星に、到着して…」
その声に周りの局員も驚きを隠せず、俺に質問を委ねた。
これは世紀の発見になるかもしれない、と。
そして、俺は彼女に尋ねた。
「そ、その…変な星、って?」
「菜々さんがいっぱい居ました」
おわり
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