54: ◆IpxC/P/Kzg[saga]
2013/05/17(金) 11:39:50.40 ID:AYYPALgf0
【クラリスマジギレ】
祈りを捧げる少女とは、なんと美しいものだろう。
教会に設置されている偶像に目をやり、思った。
そして、俺は日々足を運び、クラリスをアイドルにした。
アイドルにならないか。きっと、この教会を立て直せるはずだ、と。
俺の祈りも実を結び、彼女はアイドルとなって教会を再建した。
さらに、各地の教会からも支援を受け、寂れた教会は元に戻った。
各地で無償の支援活動を行いながらもアイドルをしている。
そんな彼女は、怒ることがあるのだろうか、と思う。
俺が仕事でミスをしても、彼女は責めない。
いいんです、誰にしも、失敗はあることなのですから。
そう言ってくれた彼女に、涙を持って謝罪したことを思い出していた。
悩みを打ち明けることは、とても心が軽くなるのだ。
再建された教会の一角に、懺悔室が設置され、彼女はそこに居た。
今日も悩める子羊を救うべく、彼女はそこに佇むのだ。
その中のひとりとして、俺はそこにいた。
「どうなさいましたか」
『えっと…職場で、ミスをしてしまって、怒られそうで』
「…ミスなど、どなたにでもあることなのですよ」
「だから…悩まれる必要など、ありません」
「それを悔い、改めれば…きっと、許していただけるはずです」
『…あなたも、そうなんでしょうか』
「ええ、もちろん。誠意を持って謝罪すれば、わかってくれるはずです」
『…わかりました』
『クラリス、ごめん』
「え、ええ?ど、どうなさいましたか」
『クラリスのおやつ食べちゃった』
「………神よ」
「この者に天罰を」
おわり
173Res/83.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。