過去ログ - 【咲】京太郎「女の子たちと怖い話をする」
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◆DhgmpLSzJ.
[saga]
2013/05/18(土) 13:31:04.62 ID:qub2afC+0
草木に覆われたバス停の屋根は、まるで自然の脅威に侵食されているかのようだった。
湿った空気と、風に揺れる葉音。
それが、人里の中にいるという認識を狂わせる。
黙っていると、ひどく孤独を感じる。
――先輩、平気ですか?
――何が?
――いや、あんな話しちゃった後で、こんな場所に……
――別に怖ないよ?
陰鬱な雰囲気で、不安にはなるが、怖いというほどではない。
恭子はホラーが苦手だが、根っこは冷静沈着なリアリストだ。
京太郎には申し訳ないが、先ほどの話も、そこまで信じているわけではない。
……しかし、恭子は敢えてそれを口実にしようと思った。
――ごめん、須賀君。やっぱりちょっと怖い……。
――え? だ、大丈夫ですか?
――うん。でも、不安になるから、その……手握っても、ええ?
後輩の少年は、一度照れくさそうに頬を赤く染めたが、
――どうぞ……。
快く手を差し出してくれた。
男の大きな手を、恭子は握り返す。
――……須賀君の手、あったかいなぁ……。
恭子の胸に歓喜の怒涛が走り抜けた。
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