過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ -SS速報VIP

過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ

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559:1[saga]
2013/07/21(日) 22:13:57.87 ID:IACn5YQp0

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　とぼとぼと歩いて待合室に戻ってきたまどかを、フランは黙って迎えた。

　彼女は先程と変わらず、そのままの姿勢でまどかを見上げている。
まどかは、フランと目を合わせないようにしながら、少し離れてベンチに腰かけた。

　しばらく二人は黙っていた。

　待合室を支配するのは、激しい雨音に時々水音を立てて目の前の車道を走り去る車の音と、二人が息をする微かな音のみ。

　フランは正面を向いて、雨の降る夜闇を眺めていたし、まどかはただ俯いて座っていた。

　びしょ濡れのまどか。
短いツインテールの先から滴が肩に落ち、額に張り付いた前髪から雨水が顔を伝う。
けれど、彼女はそんなことを気にも留めず、ただ何かに悩むように、悔しさを噛み締めるように、
沈黙して俯いていた。

「ねえ」

　突然、沈黙が破られる。雨音をBGMに、まどかの声が待合室に響いた。

「フランちゃんは、ほんとに、マミさんにも悪いところがあったって思ってるの？」

　フランは、一瞬、目だけを動かしてまどかを見た。
まどかが俯いたままなのを確認すると、また正面に目を戻す。

「そうよ。みんな悪いところがあるの。みんなに咎められるべき責任があるの」

　まどかは答えない。思うところがあるのだろう。心当たりがあるのだろう。

　そういう意味の沈黙だった。

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