過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ -SS速報VIP

過去ログ - 魔法少女フラン☆マギカⅢ

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565:1[saga]
2013/07/21(日) 22:23:22.00 ID:IACn5YQp0

　ガラッ。

　まどかはベンチに座ったまま、５センチくらい飛び上がった。心臓が口から飛び出るかと思った。
あまりの驚き過ぎて、声すら出せなかったのは幸いかもしれない。
声を出していたら、きっとまどかは赤面していただろうから。

　それはともかく、音のした方を見ると、待合室の扉が開いていて、同時にアスファルトを叩く雨の音が待合室の中に入って来た。

　待合室の入口に見慣れた姿がある。
透明なビニール傘を差し、肩で息をしながら立っていたのは――――――、

「杏子ちゃん！？」

　この雨の中を傘を差しながら走って来たのだろう。杏子の息は荒れていた。
湿気で重たくなった赤い長髪は乱れ、白い肌は火照っていて、ほっぺたはリンゴみたいな色をしていた。
彼女は酷く慌てていて、その尋常ならざる様子にまどかの背筋が悪寒で震える。

「まどかっ！！」

　いきなりすごい剣幕で怒鳴って来る。
まどかはさらに驚いて、変に裏返った声で「ひゃい」と返事してしまった。

「大丈夫か？」

　恥ずかしくなって縮こまるまどかに、焦ったように迫る杏子。
ビニール傘をたたんで、扉を後ろ手で閉めて中に入ってくる。

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