過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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26:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2013/05/20(月) 23:06:04.04 ID:VHmObUUq0
>>25

 ×     ×

なんとなくちょっと寂しい気もした、それも余りによく出来ていたからなのか。
臨時パートナーが、にこっと微笑んで礼儀正しく頭を下げたかと思うと
気が付いたら早々に姿を消した事もあり、
犬耳小僧が気付いた頃には完璧な証拠隠滅を終えていた千雨は、
結局手がかりの欠片も無かった面々を促して次の行動に移る。

「ここだここ」

次にご一行様が訪れたのは一軒のファミリーレストランだった。

「アリサからも聞いた事あるんだけど、ドリンクバーが豊富で使い易いってさ」

それぞれ適当に食事を注文し飲物を運びながら、千雨がノーパソを取り出す。

「結局の所、ネットしか手がかりが無いからな」
「ARISAってネット中心のシンガーだっけ?」

夏美が言う。

「まあ、今ん所はそうだな。ネットとか学園都市の路上がメイン」
「そんなインディーズでも凄く人気あるんだよね」

夏美が言う。夏美も今の所端役とは言え演劇部員、
しかも、本来が決して主役向きでは無いと自覚しているタイプ。
自分と同年代で、メジャーアイドルならそれはそれで別世界にも見えるのだが、
アリサの様に自ら表に出て切り開こうと言う気概には敬意を覚える。

「なんだよな、歌が清々しいせいか面白い話もあるし」
「面白い?」
「ネット上の都市伝説だな、ARISAの歌を聴いたらいい事がある、って」
「うん、あれから私もネットとか見たけど普通に言われてるね。
それに、あの歌聞いたらなんか、分かる」

千雨の言葉に夏美が反応した。

「さあて、どの辺に出没して、るのかな…」
「な、何!?」

突如、ガタッと立ち上がった千雨に夏美が驚きの声を掛ける。


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