過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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33:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2013/05/23(木) 01:38:07.17 ID:KEsJEL6Z0
>>32

「つ、つーっ、あ、アリサ…」

転落が済んだ所で、夏美が周囲を見回す。
どうやらアリサは無事、あのウニ頭、なかなかのナイト様だ。
そこで、気付いた。千雨の表情に。
顔だけ上げた千雨の視線の先には池が見える。
その池の中では、突如出来上がった噴水の上に、

「魔女?」

夏美が呟く。噴水の上に「立っている」のは、見た目も行動もまさしく魔女、
絵本の魔女が自分達ぐらいに若くなった様な姿の金髪の魔女がそこには立っていた。

「水のエレメントを操る術式なんだよっ!」
「って事は魔術の連中かっ!」

近くの叫びの応酬に、夏美と千雨は改めて顔を見合わせる。

「やっぱりこっちかよ…」

夏美は、隣で呻く千雨の目がつり上がるのを見る。
千雨の右手はポケットの中でぎゅっと握られていた。

「あいつら、どこに…」
「ちょっ!」

千雨が味方を探して周囲を見回す。
ウニ頭が、叫びを漏らした夏美達に気付かぬまま石段を駆け上がる。

ごうっ、と、風が聞こえた。これも夏美と千雨の経験から言って、只の風ではない。
夏美は石段に隠れながらそちらを見る。
池の畔に上り、池の魔女に駆け寄ろうとした少年の足下がボコッと盛り上がる。
それは筒となって少年の両脚を拘束する。

池の魔女が、何本のも水の槍を生成する。
離れた所にいる風の魔女がそれを吹き散らし、その猛スピードの軌道を少年に向けた。

「やああっ!」

夏美の叫びは声にならなかった。
相当な威力だったのだろう。土煙が上がり、それが晴れた時、
夏美も千雨も凄惨な光景を覚悟した。


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