過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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2013/08/06(火) 16:54:11.04 ID:D/J1TKXp0
そんな馨も、プログラムに巻き込まれた。
教室を出た後、B=05エリアとB=06エリアの境目に設置されているベンチに腰掛けていた。
もしかしたら誰かに襲われるかもしれないという不安はあるが、同時に、まさかクラスメイト同士で殺し合いなどしないだろうという安心感もある。
誰かに見つかっても問題ない、そう思っていた。
…朱里……
教室内で斬殺された水上朱里(女子18番)の無残な姿が目に浮かぶ。
朱里とは、同じ外で活動する運動部員という共通点もあり、クラス内の女子の中でも親しい方だった。
好戦的な良悟と卜部かりん(女子4番)が口論するのを眺めては、2人共飽きないもんだね、と一緒に見学していた。
とても明るい、元気な子だった。
それなのに。
小さな少女の人生は、一瞬にして幕を下ろされた。
無我夢中で名前を呼んだ。
呼んでどうなるものでもないが、そうせずにはいられなかった。
朱里…助けられなくて…ごめんね…
馨は目の前にそびえ立つ3号棟を見た。
あの中に、朱里の亡骸はある。
朱里を殺害した、政府の人間と一緒に。
「許せないね…やっぱ…」
ぽつりと呟いた。
声は、暗闇に溶けていく。
「…でも、どうすればいいんだろうね?」
訊いた。
誰にともなく。
返事を期待しているわけではないが、声を出さずに入られなかった。
とりあえず、良悟を待つ。
このクラスの誰よりも信頼している。
テニスで共に全国大会まで進んだ、最も気の合う親友だ。
良悟も恐らく朱里の死が気に入らないはずだ。
だったら、きっと何かできる。
好戦的な良悟の事だ、復讐などを考えていてもおかしくない。
もしそうなら、それを手伝いたい。
馨に支給された武器は、アイスピックだった。
氷を砕く為の物でさえ、武器となるのか。
気分が優れない。
それでも、朱里を殺害した岸田総悟(担当教官補佐)に一矢報いる事くらいはできるかもしれない。
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