過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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431:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2013/08/08(木) 13:59:26.89 ID:zmk7ZZy/0
それでは今回の投下、入ります。

>>425

 ×     ×

言葉にならない。
手を繋いだままコンサート会場に忍び込んだ千雨と夏美は、
圧倒されるばかりだった。

過去、二人が直接鳴護アリサを目にしたのは一度だけ。
千雨はライブも見ているがそれは普段着のストリートでの事。

しかし、今、熱狂的な歓声を浴びながらステージ上に現れたアリサは、
赤い、凝ったチアリーディングと言った感じの
ステージ衣装に身を包んだステージ上のアイドル。
歌い出し、そして歓声。二人はそれだけでKO級に圧倒された。

「…凄い…」

夏美が震える声で呟く。
やはり、言葉にならない。文学的にも論理的にも。
出来る者はいるのかも知れないが、少なくともその表現はどこぞのヘボ作者の手には余る。

只、ここに直面し心を震わせる。
夏美が手に痛みを感じて隣を見る。
夏美の手をぎゅっと握った千雨の表情は真剣そのものだ。
千雨の喉がごくりと動き、息まで荒くなっている。

「…これが…アリサ…」

千雨の口から漏れる呟き。たたえている様であり、恐れている様である。
その諸々を全て呑み込ん心を幸福で満たす。
一曲目が終わった頃には、それはよくよく自らの気持ちとして理解出来る事だった。


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