過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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624:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2013/08/31(土) 02:26:48.49 ID:t+VrbCFT0
しもた、>>623で垣根帝督が重なってるorz
では続き

>>623

「(あなた方の)常識は、通用しませんから」
「は、はっ、非常識に、非常識を重ね掛け、しやがった」
「正、解」

そのまま、垣根はすとんと頽れる。

「メイちゃんっ!………」

駆け寄った夏美の足がたじっと退く。

「その、反応、ちょっと、傷つきますね」
「…ごめん…」
「冗談です。上手く、いきましたね。
大丈夫。知ってました?火炎術者、は、火傷の治療も得意なんですよ」

ぼっ、と、愛衣の全身が炎に包まれる。
炎が消えて、炭化に片脚突っ込んでいた愛衣の体に髪の毛が、全身の肌艶が戻って来る。
愛衣が、首を横に折った。

「メイちゃんっ!?」
「あー、魔力切れ、当然やな」

そう言って、小太郎はくてっとした愛衣の左腋の下から背中、右の腋の下に右腕を回す。
小太郎も西洋魔術の詳しい知識はないが、
まず、攻撃もこの治療も個人で直ちに扱うには桁違いの術式を使った事は分かる。

規模も大きいが内容が複雑。火炎術者として、未元物質による変質と共に、
変質していない、科学の支配を受けない部分がある事を察知して魔法使いとしてそれを解析。
エーテル理論に始まりその他諸々、魔法の理屈で炎の支配を取り戻して、
科学の常識の通用しない魔法の物質として叩き付ける。

起きた事を後付けの理屈で言ってしまえばそういう事になるが、最後は火炎術者の勘で、
今すぐにでも自分が焼き尽くされるその刹那にそれを成功させる、
余りにも細い綱渡りとそれを行うために必要な大量の魔力。

「千雨姉ちゃんには悪いがここでリタイヤや。
夏美姉ちゃんもな。取り敢えず愛衣姉ちゃんすぐにでも届けなあかん」
「うん」

小太郎自身の身体的負担も限界の筈。それは、あの夏付いて歩いた夏美にもよく分かる。
だからして、寝息を立てる愛衣を背負う小太郎の横で、ありとあらゆる理性と現実を総動員して
コンカイダケコンカイダケコンカイダケと口の中で唱えていた夏美が頷いた。


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