過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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847:ちさめンデュ ◆nkKJ/9pPTs[saga]
2013/10/02(水) 15:18:45.33 ID:1oPw+Rgx0
>>846

 ×     ×

その瞬間、刹那の目からは慈愛も驚きも鎮魂も消滅し、
仕事に向かう鋭さだけが向けられた。
抜き打ちに夕凪が振るわれ、キキキキキンと弾き飛ばされる音を聞いて、
愛衣はようやく唇を拭い立ち上がった。

「風楯っ!」

その愛衣を襲った銃弾も彼女の防壁に弾かれる。

「大丈夫ですか?」
「はい、すいませんでした」

背中合わせになった刹那と愛衣を取り囲む様にわらわら現れたのは、
白い繋ぎにゴーグル、防塵マスクと言う出で立ちの集団だった。

中には農薬のタンクつき噴霧器の様なものを背負っている者もあり、
用意されたカートには色々と機材も搭載されていたが、
今は全員が拳銃を手にしている。

装弾数の多いオートマチックのマガジンを撃ち尽くし、順次交換している。
愛衣がバッと腕を振ると、一帯がふわあっと熱気に包まれ、
愛衣がもう一度腕を振ると空間の天井近くがぼうっと炎に包まれた。

「何か、妙なものを空気に溶かし込みましたね。
温度差気流のセンサーを張っていて助かりました」
「本来清掃用なのだがね。仕方がない、こちらで我慢しよう。
広がりの小さな直接噴霧、死体か精々瀕死の重傷者しか消せないと不便だが…」

刹那に囁いた愛衣の言葉を聞いたか否か、白ずくめの長らしき男が言う。
タンクから何かを噴霧されると、血痕が見る見る消滅し、
黒ずくめの衣服もぶかぶかになっていく。


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