135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/26(日) 07:00:48.84 ID:cYGd8PLko
彼は窓際にはあまり近付かず、部屋の様子を眺めた。
わたしはその姿を確認しながら、書斎机の二段目の引き出しを開ける。
彼には見えないように拳銃を取り出し、シリンダーを出して弾を込めた。
物音に気付いたのか、彼はわたしの方を振り返る。
机を挟んでいるから、屈みこんだわたしが何をやっているのか、すぐには分からないだろう。
シリンダーを押し戻す。右手で握り、左手は添えた。撃鉄は起こさなかったし、銃口は向けなかった。
「あなた、誰?」
彼は怪訝そうに眉をひそめたあと、わたしの手元を見て引きつったような笑みを浮かべた。
思ったよりもずっしりと重い。持ち上げるのに苦労するくらいだ。
一分も構え続けていれば、腕が震えだすかもしれなかった。
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。